「二代目Lは先代Lと親しかったのですか?」
「…何故そう思うのですか?N」
「いえ、とても親しかったからLの名を継ぐことができたのかと思いまして」
「…それは私に対する侮辱と受け取っても?」
「ああ、気を悪くなさらないで下さい、二代目L。何も貴方を否定しているわけではありません」
「否定以前に私の存在を認めていらっしゃらないようですね」
「先代Lが貴方のことを認めていたのなら否定する理由はありません」
「……」
「彼が亡くなってから4年が経ちます…二代目L」
「そうですね」
「4年も経つのですよ?二代目L」
「……」
「未だにキラの影すら掴むことができないのですね、貴方は」
「……」
「先代Lがどれくらいの期間でキラを追い詰めたか、知らないわけではないでしょう?」
「…N」
「貴方はおそらく日本警察の誰かなのでしょうから」
「…N」
「捜査本部の中の誰かなのでしょうから」
「……」
「知らないはずはないですよね?先代Lの近くで共に捜査していたはずなんですから」
「……」
「だから二代目Lなどと名乗っていられるのでしょうから」

「ニア」

「…なんですか?気安く呼ばないで下さい」
「ニアは先代Lと親しかったのですか?」
「…何故そう思……、どういうつもりですか?意趣返しのつもりですか、二代目L?」
「いえ、とても親しかったからLの名をそれほど気にするのかと思いまして」
「…先ほどの発言をそのまま繰り返す気ですか?不愉快ですよ二代目L」
「ああ、気を悪くなさらないで下さい、ニア。貴方が」

「…貴方が真にLを継ぐ者であったなら、私の存在など歯牙にもかけなかっただろうに」

「…っ!」
「Lに認められたかったのですね、ニア」
「……」
「Lに認められた私が許せないのですね、ニア」
「…低俗な勘繰りは身を滅ぼしますよ、二代目L」
「貴方にとって『L』は特別な称号なのですね、ニア」
「…黙りなさい、二代目L」
「けれど、ニア」

「『L』は『キラ』に負けたんですよ」

「黙りなさい!」
「…私はLの名を継いだ者ですが、そんなに欲しければ貴方に『L』は差し上げますよ?全てが終わったその後に」
「…侮辱しているのですね、二代目L」
「いいえ、侮辱だなんて。…ただ」

「貴方を哀れんでいるだけですよ」

「……」
「Lのことを話して差し上げましょうか?」
「…結構です、私には必要ありません」
「そうですか」
「……」
「残念ですね」
「……」
「ニア。貴方の目的と『L』の目的は同一のものです。…お互い協力し合って、早く終わらせたいものですね」
「…そうですね、早く全てを終わらせてしまいましょう」

こんな喜劇は願い下げ。

「それではまた情報が入ったらお知らせします、ニア」
「ええ、お願いします二代目L」

『L』はこの世界にもういない。

「「必ずあの存在を引きずり下ろす」」

神の高みに登るため。
神の高みを守るため。

目指す先は似て非なる、相容れぬゆえ潰しあう。

WEB拍手お礼03-狐と狸の化かしあい編。

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