花の名前

  肌に刺さるように冷たい風が吹き抜ける冬が過ぎた後には、ぬるくまろやかな眠気を催す季節がやってくる。   陽光に透け輝く木々となだらかな丘陵の緑は鮮やかで、草花の香りが爽やかな風となって鼻先をくすぐり背後へとそよいでい

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三ツ星の男

「ナイト!」 「モンク」 「白魔道士!」 「黒魔道士」 「赤魔道士!」 「シーフ」 「吟遊詩人!」 「狩人。…結構あるもんだね」 「まだまだあるぞ。ものまねし!」 「それは知らない」 「おっ!違うの発見!」 「近い世界か

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約束の証。-最終話-

あの場所に、還ろう。 「お、いたいた、探したぜスコール!」 「…ラグナか」   よいしょと崩れた壁を乗り越えて、ラグナは常と変わらぬ笑顔を浮かべながら手を振った。   倒されたばかりのイミテーションが砕けて儚く消えて行く

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約束の証。-04-

あの場所に、還ろう。   各地で戦闘は激化していると光の戦士が言った。   イミテーションの存在は、すでに無視できぬ程に大きな障害になっている。   数はもちろんその強さも侮れず、カオスに与する連中は、戦闘を仕掛けてくる

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約束の証。-03-

あの場所に、還ろう。   硬質なクリスタルを思わせる人形が襲い来る。   敵味方あらゆる戦士達の姿を模し、技や魔法もそのままに、時に徒党を組んで現れるそれをイミテーションと呼んだ。   討ち減らしても時間が経てば沸いて出

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約束の証。-02-

あの場所に、還ろう。   同じ世界の人間と戦えば、より早く記憶が戻ると教えてくれたのはカインだった。   情報源を聞いても言葉を濁すばかりで、おそらく敵側の誰かが漏らしたのだろうことは想像に難くなかったから、そうなんだと

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約束の証。-01-

あの場所に、還ろう。   海があり、大地があり、空がある。   それを「世界」と呼ぶのなら、各地に点在するひずみによって誘われる場所のことは「空間」と呼ぶべきなのだろう。   いくつもの「空間」を抜け、戦闘を繰り返し、「

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落し物を探して。

きっと、どこかに。  三歩ほど前を歩く男が腕を組みながら、ずっと何かを呟いている。   どうしたと問うてやるべきだったのかもしれないが、聞いて欲しくて呟いているわけではないのだろう、隣に並んで歩いている自分のことなどまる

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