アメリカから来た男

「あ、あなた!いつもありがとうございます!」 「え?…あ、ああ…」 「今日は中級編のテキストがありますよ!2万円でどうでしょう?」 「…2万か」 「うちの英会話は使える英語だけが入っているから覚えやすい!これさえ覚えてお

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ドラゴンマスクとリッキーマスク

「兄貴ィ!俺が選んだ渾身のコスチュームを見てください!兄貴が赤で俺は青にしました!マスクも完璧!やっぱ覆面レスラー最強っしょ!」 「子供に見せるだけのプロレスに、随分本格的だな」 「兄貴、子供相手だからってプロレスを舐め

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レミニセンス-02-

「覚悟決めやぁ、桐生チャン」   赤黒い固形物と液体に塗れたドスを右手に握り、今にも振り下ろさん勢いで眼帯の男が、哂う。   雨だ。   視界に映る手すりに凭れかかった己の両腕はすでに濡れ、グレーのスーツは暗く変色し袖口

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レミニセンス-01-

「覚悟決めやぁ、桐生チャン」   赤黒い固形物と液体に塗れたドスを右手に握り、今にも振り下ろさん勢いで眼帯の男が、哂う。 「そういえばお前には貸しがあったな、桐生」   地下の巨大な歓楽街を支配する男が、突然思い出したよ

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カリスマ度。

「兄貴、お疲れ様ッス!」 「お疲れ様です!」 「お疲れ様ッス!」 「桐生さん、お疲れ様です!」 「あっ兄貴、いつもお疲れ様です!」 「……」 「…ねぇ、明らかにヤクザとかチンピラ風な連中が頭下げてるけど…知り合いなの?」

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コンビニはお好き?(大×桐)-01-

「桐生さん!待ってくれよ!」 「何で遅れるんだ?大吾」 「アンタ走んの早いんだよ!たまに通行人ぶっ飛ばされて転がってんじゃねーか!」 「そうか?皆避けてるだろ」 「いやいやいやいや…まぁチンピラ共を相手にすんのダリぃから

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管を巻く人。

「桐生さん、聞いてるか?」 「ああ、聞いてる」 「あの時はホントに死んだと思ったなぁ…」 「…そうだな」 「風間さんの弟だったなんてなぁ…」 「…そうだな」 「沖縄の件では俺、間違った選択はしてないよなぁ…?」 「……」

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刑事と(元)ヤクザと大先輩

「いっちゃいますよ、桐生さん…いいですか?」 「…む、待った!」 「待ったはナシです。ダメです。このままいっちゃいます」 「お前…!」 「小僧だと思って舐めてたでしょ?俺強いんスよこーゆーの。はい、ダメダメ、諦めて桐生さ

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私のおじさん

 私には両親はいませんが、おじさんがいます。  おじさんはとても頼りになって強いので、いつも誰かから何かを頼まれています。  自分が傷ついても、その人達を守る為に戦います。  死にかける程の怪我を負わされても、おじさんは

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善意の人

 眠らない街、神室町に雪が降る。  日が落ちてからのこの街は、昼間とは比較にならぬほどに華やかな装いで賑わっている。夜空をネオンで明るく変えてしまえる程の熱量は、夜通し絶えることはない。  通りは人で溢れ、客引きのセール

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