鶏が先か、卵が先か

「ところで桐生君」 「何だ?尾田」 「……それな」 「あ?」 「立華社長、今戻りました」 「尾田さん、桐生さん、お疲れ様です」 「それです」 「え?」 「何なんだ尾田。さっきから」 「それだよ桐生君」 「…だから、何だつ

続きを読む

進撃の侍(維新!)

「…土佐に行くとは言ったが、考えてみればあんたらまで来る必要はなかったんじゃないか?」 「あん?何言うとんねん一ちゃん。京を出て船乗ってもうすぐ土佐やで?言うにしても遅すぎにも程があるで」 「そやで斎藤。今更や。それにこ

続きを読む

勤続20年、とあるタクシー運転手の記録

  私は神室町でかれこれ二十年、タクシー運転手をしている神室卓三(五十六歳)と申します。   地元の高校を留年すれすれの成績で卒業し、父親が経営する小さな居酒屋に就職を致しました。   三十三歳の時に父親を病気で亡くし、

続きを読む

カズマNO.1

「桐生さん!お久しぶりです!」 「…ああ、……」 「あ、忘れてますね?俺マコトです!ホストクラブ「アダム」ではお世話になりました!」 「ああ、マコトか。久しぶりだな」 「はい!最近桐生さんを神室町でお見かけしませんでした

続きを読む

最後の聖域。

「冴島、アンタに聞きたい事がある」 「何や、どないしたんや桐生。改まって」 「……、………だよな?」 「ん?何やて?聞こえんかった。もぉちょいでかい声で頼むわ」 「真島の兄さんの関西弁、変だよな?」 「……」 「……」

続きを読む

コンビニはお好き?(大×桐)-02-

 コンビニで買った安物のロープが軋んで音を立てた。   桐生が自らの身体の下敷きになった両手を動かしロープを外そうと試みているようだったが、簡単には解けないようにできている。関節を外しでもしない限り、外れることはない。

続きを読む

アメリカから来た男

「あ、あなた!いつもありがとうございます!」 「え?…あ、ああ…」 「今日は中級編のテキストがありますよ!2万円でどうでしょう?」 「…2万か」 「うちの英会話は使える英語だけが入っているから覚えやすい!これさえ覚えてお

続きを読む

ドラゴンマスクとリッキーマスク

「兄貴ィ!俺が選んだ渾身のコスチュームを見てください!兄貴が赤で俺は青にしました!マスクも完璧!やっぱ覆面レスラー最強っしょ!」 「子供に見せるだけのプロレスに、随分本格的だな」 「兄貴、子供相手だからってプロレスを舐め

続きを読む

カリスマ度。

「兄貴、お疲れ様ッス!」 「お疲れ様です!」 「お疲れ様ッス!」 「桐生さん、お疲れ様です!」 「あっ兄貴、いつもお疲れ様です!」 「……」 「…ねぇ、明らかにヤクザとかチンピラ風な連中が頭下げてるけど…知り合いなの?」

続きを読む

Scroll Up