26歳レオン(KH)inディシディア続き。

  ひずみを潰し、フィールド上をうろつくイミテーションを倒し、モーグリから不足しているアイテムや素材を買い足して、スコールは聖域へと戻った。
  灰色の空は相も変わらずくすんでおり重く、雲の切れ間から覗く陽光は弱々しいが、中央に座す女神の周辺だけは、穏やかな空気の流れと清浄な力に満たされ淡く輝いて見える。
  スコール達が仕えるべき対象であるコスモスという名の女神は、優しげな表情の中にも物憂げな眼差しをして、一人空を見上げていた。
  積極的に話しかけようとする者はいない。
  神と雑談しようなどと思う人間は、仲間の中には存在しないようだった。
  聖域内を見渡し、人数と顔ぶれを確認する。
  左手首に嵌めた腕時計で、時刻を確認する。
  黒とシルバーを基盤とし、真紅の文字盤という凝ったデザインの腕時計は前回レオンがくれたものであり、時刻はレオンの世界の現在時刻を指していた。
  そろそろ、十二時を回る。
  条件は整っていた。
  一つ深呼吸をし、女神の元へと歩み寄る。
  話をしていたティナとオニオンナイトが怪訝そうにスコールを見やるが、視線を投げただけで特に言葉を交わす事はない。
  気づいた女神が顔を向け、柔らかく微笑んだ。
「スコール、おかえりなさい。どうか、しましたか?」
「コスモス、頼みがある」
  声は女神にのみ聞こえれば良く、自然押さえたものになったが、少女と少年は興味深げに近づいて来て聞いていた。
「スコールが頼みとは、珍しいことですね。何でしょう?私に出来ることならば」 
「あんたにしかできないことだ」
  さぁ、言うぞ。
「…レオンを呼んでくれ」
「…まぁ、スコール。それは」
「そろそろ一週間が経つ。…呼んでも怒られないと思うが」
  多分、と、内心で付け加えたが、自信はない。
  怒られるのはコスモスであって自分ではないのだから、構わなかった。
  スコールが見ている前で、コスモスの表情が鮮やかに変化した。
  憂いを帯びた眼差しは見開かれ、頬は薔薇色に染まった。
  口元は両手に覆われ見えなかったが、言葉を発する為に降ろされた両手の向こうに見えたのは嬉しげな微笑だ。
「スコール…!あなたも、会いたいのですね!?」
「…あぁ、まぁ」
  「も」って言った。
  確かに聞いた。
「ああ、どういう理由で呼べばいいのか、考えていました…!理由もなく呼ぶと、彼に叱られてしまいますから!」
  理由があっても怒られると思う、とは、口に出しては言わなかった。
  だがスコールには腕時計がある。時間を守れば呼んでもいいという、これは免罪符なのだった。
「…で?」
「ええ、呼びます。前を開けてください」
「ああ」
  気づけば少女と少年は、距離を取って遠巻きに見ていた。
  傍観者でいたいのだという意志を感じ、ありがたいとスコールは思う。
  …だからこそ、今このタイミングでコスモスに頼んだのだった。
  遠く聖域の入り口からこちらに向かって歩いて来る人影を視界の端に捉え、早く呼べと願う。
  早く呼べ。あいつが絡んでくる前に!!
「来ます」
  空から光の柱が落ちてきて、地面へと突き刺さる。
  
「…時間ぴったりに呼びやがったな…」

 呆れ混じりに聞こえる言葉は、もう随分と馴染んだ声だった。
「ようこそ、レオン」
  両手を胸の前で組み、見上げる女神は嬉しそうだ。
「…どうも」
  ため息をつきながらレオンがコスモスを一瞥し、そして躊躇なく視線をスコールへと投げた。
「お前か」
「…ああ」
  呼んでもいいと言った時刻丁度に召喚されたということは、スコールが絡んでいることは明白なのだ。
  何の用だと問う前に、スコールはすぐ隣に歩み寄り立っていた金髪の男を指差した。
「…ん?」
  レオンは首を傾げるが、無言で返された。その表情は非常に険しい。
  スコールに寄り添うようにぴったりとくっついているのはクラウドだ。
  レオンと視線が合うと、クラウドは何故か赤面して顔を伏せた。
「……」
  思い出した。
  コイツは確か、電波クラウドか。
  スコールが被害を被って迷惑していると言っていた。
  スコールが距離を取ろうと離れても、クラウドは追いかけるように寄り添った。
  話しかけたそうにちらちらと視線を向けているものの、スコールが全く視界に入れようとしていない。
  何も言わずに大人しくしているのは、おそらく女神の前であり、レオンの前でもあるからなのだろう、一応は。
「レオン」
  縋るようなスコールの視線を受けて、面倒だなとレオンは思う。
  だが、約束をしてしまった。
  仕方がない。
「…クラウド」
  呼べばすごい勢いでクラウドは振り向いた。
  尻尾を振りつつ、ご主人の命令を待つ犬のような従順な表情に、背中をざわりとした感覚が駆け抜ける。悪寒だった。
  これは違うな。うん、違う。
  レオンが知る男とは別人だなと、実感した。
  同じ顔をしているだけに、始末が悪い。
  殴り飛ばしたくなるのを堪え、レオンは小さく笑んでみせた。多少引き攣ってしまったのは仕方がないと思うことにする。
「…二人で話をしようか、クラウド」
「え?」
「一時間しかないからな、急げよ」
「……」
  酷く残念そうに肩を落とす女神を華麗に無視して、レオンは聖域を出ようと歩き出す。
  躊躇なく、振り返ることなく早足で歩き去る後姿をクラウドは慌てて追い始めた。
  スコールも、後を追う。
  クラウドが仮に見境なく襲いかかったとしても、そう簡単にヤられるレオンではないと思うが、不測の事態に陥った時には大人しくさせる為に手助けしてやらねばならない。
  レオンが蒔いた種とはいえ、他人事ではない。
  己の今後がかかっている。
  さっさと歩いてレオンが向かった先は、いつぞやクラウドに見つかったいわくつきの場所だった。
  他の場所へ移動するのが面倒だったのだろうが、スコールは嫌な予感に眉を顰める。
  細道を抜けた先の広場へと出て、レオンは振り返る。
  すぐ後ろについて来ていたクラウドも立ち止まり、スコールは細道と広場の境界線付近で腕を組んで立ち、様子を窺った。
「…さてクラウド、一つ質問だ」
「な、何?」
「お前はスコールに何を求めてる?」
「え?」
「身体目当てなら素直にお願いしろ。断られたら諦めろ」
「……」
「…オイコラ」
  スコールがずっこける勢いで傾いた。
  身体目当てって何だ。寒い。寒すぎる。
  しかもすでにお断りしている。
  何度もだ!!
  クラウドにヤられるなんてごめんだった。ヤるのもごめんだ。そういうのは勘弁願いたかった。仲間内でのいざこざは後々面倒を引き起こす。
  すでにストーカーと化してスコールについて回るクラウドの不審な行動は仲間内でも知れ始めていた。
  「何故?」と問われてもクラウドは平然と「一人より二人で行動した方が効率がいいし、何より鍛錬になる」などとほざいて反論を封じているのだ。
  他人に対しては普段通りのクラウドだった。
  だが、二人になるとクラウドは当然のように物陰にスコールを引きずり込み、押し倒そうとする。
  イヤだと言えば可愛いと言い、やめろと言えば照れていると変換した。
  どんな罵声を浴びせようとも、クラウドには通じない。
  全て好意的な言葉として受け取っているようで、正直もうスコールには打つ手がない。
  大人しくヤられるという選択肢は存在しない。
  寒い。本気でやめてほしい。
  クラウドの事は信頼に足る仲間として上位に置いていた。
  だが好意は好意でも、愛情ではない。
  いつの間にやら履き違えられた欲望を向けられて、辟易している。
  それもこれも原因は目の前でクラウドにお説教を垂れようとしているこの男の異常な身体のせいだった。
  中身が入れ替わるなどという馬鹿げた事態にさえならなければ、もしかしたら今の状況はなかったかもしれない。
  何で俺が、というのはあれからずっと思っていることだ。
  報復してみたが、中途半端に終わってしまって気持ちは晴れない。
  クソ、またちゃんと報復しなければ。
  きちんと服を着込み、真面目な顔をして佇むレオンは「大人の男」であり、全く隙はない。
  今もクラウドは大人しくレオンの説教を聞いている。
  一体何をどうしたらこのレオンがあんな変態淫乱な身体になってしまうのか、疑問で仕方がなかった。
  ふと色々と思い出しそうになり、スコールは慌てて首を振って思考を追いやる。
  ヤられる立場は二度とごめんだったが、ヤる立場はまたそれは別の話だ。
  静かに続いている会話を、見守る。
  クラウドは冷静であるように見えた。
「…お前も子供じゃないんだから、分別くらいつくだろう?クラウド」
「…俺、間違ってる?」
「やり方が間違ってる」
「…やり方」
「強姦は好感度を著しく低下させるぞ。ちゃんと合意の上でだな…」
「コラ待てレオン!!何の話をしてるんだアンタ!!」
  ちょっと気を逸らした間に、何故そんな馬鹿な会話になっているのか、スコールは頭痛を感じて額を押さえる。
  あれ、もしかしてレオンに話を任せたこと自体が失敗だった?
  まさか、そんなまさか。
  レオンは怪訝に片眉を上げて、スコールを見やる。
「…何だ?イヤならお前が合意しなければ済む話だろう」
「いや、それはそうだが…そういうの自体をやめさせろよ!」
「…ふむ…ああ言ってるが、どうだ?」
  クラウドに向き直り、問い直す。
  クラウドはため息をついて、肩を竦めた。
「スコールはすごく控え目で奥手なんだ。だから俺がしっかりリードしてやらないと」
「…ん?」
  レオンが首を傾げ、スコールは眉間に皺を寄せて歯軋りをした。
  これだ、万事この調子で会話が噛みあわないのだった。
「クラウド…それはスコールがそう言ったのか?」
「言われなくてもわかる。前世からそうだったし」
「ぜ…前世?」
  あ、レオンがちょっと引いた。
  クラウドは頷いた。
「前世でも俺とスコールはそういう関係だった。だからスコールが思い出せば、問題ない」
「…ほう…そうなのか?スコール」
「知るか。俺に聞くな。前世とやらを俺は知らん」
  毎日のように聞かされるクラウドの言葉は、理解ができない。まともに受け取るだけ、無駄なのだった。
  疲労の滲むため息が漏れるのはすでに無意識のものとなっている。
  金髪が振り返り、爽やかに微笑んだ。
「スコール、ちゃんと生き残って戦い続けていれば思い出す。安心しろ」
「何を安心するんだできるかッ!!思い出すも何も前世なんか知るか!!思い出したくないし思い出したとしてもごめんだっ!!」
  必死だ。
  こちらは必死なのだということを、ようやくレオンはまともに受け止めたようだった。
  投げやりだった表情が少し改まった。
「…で、スコールの言を聞いてお前はどう思う?クラウド」
「思い出したら変わる」
「…なるほど…」
  レオンの顔は明らかにスコールに対して同情的になっている。
  今更か、とツッコミを入れたいところだが、理解してもらえたのなら良しとする。
  それにしてもこんなクラウドの妄言を、投げ出すことなくまともに聞いているレオンは実はすごい人間なんじゃないかと思った。
「スコールは嫌がっている。そしてお前は思い出して欲しい、ということだな?クラウド」
「そう、そうなんだ。思い出して欲しい。そしてイチャイチャしたい!ヤりたい!ラブラブになりたい!」
「……」
「……」
  さすがのレオンも絶句した。
  当事者で被害者である俺の気持ちが、わかったか。
  スコールの訴えかけるような強い瞳とぶつかって、レオンはため息をついた。
  ああなるほどと、納得した。
  クラウドのスコールに対する異様なまでの執着の正体を、理解した。
  スコール可哀想に。
  本来ならば当事者間で勝手にやってくれという問題だったが、スコールにその気がなければ、これはまごう事なき変質者と被害者の関係でしかない。
  仕方がない。
  気乗りはしないが、しょうがない。
  スコールが何とかしてくれと泣きついてきたのだから、何とかしてやらねばならなかった。
  その為にレオンはここにいるのだから。
「クラウド」
  呼びかければ素直に反応し、レオンを真っ直ぐ見やる瞳は純粋だ。
  そこに見える感情は何というか、むず痒い。
  忠誠というのか、信頼と言うのか、無条件に明け渡される主導権の手綱を握らされるようで、気持ち悪い。
  クラウドの中でどうやらレオンは「従うべき存在」として認識されているようだ。
  あれか、あの時か。
  中身が入れ替わった時、やけに素直で従順だったクラウドを思い出す。
  複雑な気分だった。
「前世とやらを思い出すまで、強要してやるな。思い出すこと自体も、強要するな。待て。スコールがお前に好意を抱くというなら、前世も何も関係なくお前の事を好きになる」
  自分で言ってて気持ちが悪い。
  スコールがクラウドを好きになる、というフレーズがすでに生理的に受け付けない。
  己の世界のあの男を思い出す。
  嫌いではないがそういう対象ではなかった。
  色々と踏み越えてはいるが、そういう関係ではなかった。
  ああイヤだ。考えたくないが目の前にいる男は「クラウド」なのだった。
  殴り飛ばして怒鳴りつけたい衝動に駆られる。
  だが、我慢。
  論理的に諭してみたが、果たしてコイツに効果はあるのか。
  しばし目を瞬かせて考えていた様子の金髪頭が、困ったように横に揺れた。
  首を傾げ、困惑の瞳を向けてくる。
「レオン」
「何だ」
「もう一回ヤってみたら思い出してくれるんじゃないかと思うんだが」
  真面目な顔で、阿呆な事をのたまった。
「根拠は」
「…ない。勘だけど」
「スコールが嫌がっている時点でそれは無理だ。諦めろ」
「…それは今のスコールの身体が処女だから?」
「しょ……、……さぁそれは」
  どうなんだ?とスコールを見る。ドン引きした様子で殺意の炎が背後に見えた。
  ああ、お前がまともで良かったと何故か安心するレオンだった。
「経験があろうがなかろうが、拒絶されているのだから無理強いはするな」
  常識的に嗜める。
  すれ違う会話に認識の壁の厚さを感じた。
  このクラウドの常識と、レオンやスコールの常識は違うものなのではないかと思う。
  だとしたらすり合わせは困難だった。
  どうするか。
  不意にクラウドが手を叩いた。名案を思いついたと言いたげに、明るい表情でレオンを見つめる。
「…どうした」
  先を促してやれば、嬉しそうに笑ってみせた。
「また、レオンとスコールが入れ替わったらどうだろう。レオンの身体物凄くエロかった。きっとスコール、も……、……ッ!!」
  クラウドの身体が吹っ飛んだ。
  スコールの間近まで飛び、驚愕の表情で固まったスコールが慌てて避ける。
  レオンの拳がクラウドの左顎を的確に捉え、殴り飛ばしたのだった。
  不意に喰らって受け身も取れず、クラウドは背中から落ち地面を擦って丸まった。
  蹲って顎を押さえ、揺れる視界と覚束ない身体バランスに、手足は震えている。
  無言でレオンは歩み寄り、立ち上がれぬクラウドの左肩を爪先で蹴り上げた。
「…ぐ…ッ!!」
  鈍い音を立て肩口に食い込んだ爪先にかかった力は容赦なく、仰向けに転がされて完全に地を這ったクラウドの喉元から鎖骨にかけて靴裏を乗せ、体重をかける。
  閉まる気管に男は咽せ、踏みつけるレオンの足を掴むが力は入っていなかった。
  唖然と目を見開き見つめてくるスコールの視線を感じたが、レオンは真っ直ぐ地面に這い蹲る金髪を見下ろした。
「クラウド。今の発言はスコールと俺に対して失礼だ。…訂正しろ」
「…っ…ッ!!」
「そもそも完全に嫌われる前に控えろと言っているだけなのに、都合良く曲解するな。不愉快だ」
「……っ!!」
「俺の言っていることに間違いはあるか。言ってみろ」
「…っい…ッ!!」
「あるのか?ないのか?」
「な、い、です…っ!!」
「わかっているならいい。このまま寝るか、起きるか、選べ」
「…ッお、きま…っ、…っ」
「では離してやる。…ごめんなさいは?」
「…っご、めんな、さい…っ!」
「良し。立て」
  かけられていた体重が消えて解放され、クラウドが派手に咳き込んだ。
  スコールは硬直したまま動けない。
  え、レオンって、こんな奴だったのか?
  物凄く出来た大人の男だと思っていた。
  いや変態淫乱だが、通常時はカッコ良くて物分りのいい大人なのだと思っていた。
  驚いた。
  他人を殴りつけて調教するような真似をしてみせることができるのだった。
「…スコール、変な顔してるぞお前。大丈夫か?」
  心配そうに小首を傾げて覗き込んで来るレオンの瞳はこの上もなく平静だ。 
  呆然と頷き、何となく思いついた言葉をそのまま舌の上に乗せてみる。
「…女王様?」
  まさにこの状況にぴったりだと思ったが、レオンは顔を顰めて嫌そうな顔をした。
「誰がだ。…こういう馬鹿は、しっかり躾しないと調子に乗るからな」
「し、しつけって…」
「お前もコイツを調子に乗らせるな」
「はい…」
  何故だか素直に頷いていた。
  よろめき、覚束ない足取りながらも立ち上がったクラウドは、肩で息をしていた。
  クラウドは強い。
  そのクラウドが、油断していたとはいえ成す術なく地面を舐めたのだった。
  レオン怖い。
  怒らせてはいけない。
  女王様に踏み躙られるのはごめんだなと、スコールは思った。
  冷めた瞳でクラウドを突き刺し、レオンは腕を組む。
「ふざけた妄想から目は覚めたか」
「…はい」
「無闇にスコールに絡むな。強要するな。わかったな?」
「はい…」
  しおらしく頷いた金髪から目を離し、スコールへと向き直る。
「スコール、お前も態度ははっきりさせろ。きちんと口で言え。駄目なら殴って拒絶しろ」
「…はい」
「…今までもちゃんと拒絶してきたんだから、偉いな。頑張ったな」
  頭を撫でられ、スコールが困惑に眉を顰める。
  何と言うか、レオンはやはり「大人」なのだなと思うのだった。
  スコールとクラウドが黙り込んでしまったので、手持ち無沙汰になったレオンは時計を取り出し時間を確認する。
「ああ、もう一時間か…」
「え、もう?」
  スコールが声を上げ、レオンは頷く。
「…俺は役に立ったか?」
  笑みを向けられ、スコールは頷いた。
「…今後クラウドがまともになれば、そうなんだろうな」
「手厳しいな。…クラウド、わかってるよな?」
「…はい、大丈夫です」
  従順に答える金髪に苦笑を投げ、「ではまた」と手を振ってレオンは消えた。
  後に残された二人の間に落ちた沈黙は重かったが、以前のように手を伸ばしてくる事がなくなっただけマシかとスコールは思う。
「…戻るか、クラウド」
「…ああ…、スコール」
「何だ?」
「その、焦りすぎた。すまない」
「…いや…別に」
  随分とまともになったようだ。
  スコールは心底安堵した。
  聖域へと向かう足取りは軽かった。 
  レオンに頼んで良かったな。
  次に来る時には、ちゃんと礼の一つくらいは言っておこう。
「…いつかスコールが俺のこと好きになってくれたら」
「あ?」
「…スコールとレオンと3Pしたい」

「死ねよお前」

  さくっとガンブレードで斬り付けたが、死にはしない、大丈夫だ問題ない。
  地面に転がった金髪を放置して、スコールは一人聖域へと向かうのだった。


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