Negative Attachment

 指定されたホテルの部屋の扉をノックする。  開いた扉の向こうに立った男は笑みを浮かべ、「待っていた」と一歩引いて中に入るよう促した。  腰掛けるように指示されたのはベッドであり、男自身は備え付けの椅子に座り、飲みかけと

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縷縷として病む-最終話-

どこにも、行けない。    朝食後、ユフィはランニングに出かけ、エアリスはお買い物に行ってくる、と出かけたので、家にはシドとスコールのみになった。  ダイニングで座ってぼんやりとコーヒーを啜るスコールには、今日

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縷縷として病む-04-

どこにも、行けない。    仕事の依頼はシドを通してくるようになったおかげで、随分と時間の自由がきくようになったスコールは、ユフィを伴い地下洞窟へと向かっていた。  遊びたい盛りの少女は、目を離すと修行をサボっ

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縷縷として病む-03-

どこにも、行けない。   「スコールくん、泊まって行っていいんだよ」 「約束なので帰ります」 「そうかね。今日は私はここに泊まるよ。犬の朝食の見守りは任せてくれたまえ」 「…よろしくお願いします」  玄関先で一

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縷縷として病む-02-

どこにも、行けない。    トラヴァースタウンの二番街と三番街は、一番街とは違い、区画整理が行き届いた閑静な住宅街である。  一番街は外の世界から流れ着いた者の為に解放されているが、二番街以降は元からいる住民達

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縷縷として病む-01-

どこにも、行けない。    暮れ行く夕陽が茜色に街を染め上げ、闇空に居場所を明け渡す時刻、ぽつりぽつりと建物には明かりが灯り始め、食事の支度を始める家が増えて、煙突からは白く煙が立ち上る。ネオン輝くトラヴァース

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真夏の夜の夢

無知で無力でやるせない。   沈む陽に引きずられるように暮れ行く空は紅から紺へと色彩を変えて行く。   暗く重い夜から逃れるように地上へと落ちた夕陽は、わずかの時間一筋の光となって名残惜しげに家々の屋根を照らしていたが、

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cross road

あいつは俺の全てを持っている。   黄昏の街と呼ばれる大都市は、日の浮き沈みのない文字通り一年中黄昏に支配された街だった。朝も昼も夜もいつも同じ空は、その下で生きる人々にとっては何の変哲もない、代わり映えのしない風景の一

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