キミスタ!-最終話-

「…なんだこれ」  締め切られたエントランス前に人だかりができており、何かと近づけば紙が一枚、貼られていた。「社員各位」から始まるそれは倒産しましたのお知らせであり、手続きは弁護士を通してくれというものだった。 「…は?

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キミスタ!-04-

 アリーナを貸し切って行われるキミスタ!握手会は、ランキング上位から下位まで、詰めかけるファンが集中しすぎないように計算され、組み合わせをばらけさせて二十名一組とし、ほぼ隔週というこまめな周期で開催されていた。  残り一

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キミスタ!-03-

 一ヶ月以上間を空けて、久しぶりにソラとリクの背中を通勤途中の道すがらで発見した。  あれからキミスタ!は見てもいなかったが、ソラの推しであるカイリや母親の推しであるレオンのことを思い出し、また一定の距離を保って後ろを歩

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キミスタ!-02-

 ティファとエアリスに癒される。  残業で疲労困憊した頭と身体を引きずりながら家路へと向かう電車の中で、クラウドはスマホを開いて「今日指定の推し」であるティファのブログを見ていた。    キミスタ!専用サイトでのみ見られ

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キミスタ!-01-

 窓から入ってくる風が爽やかに部屋を一巡し、頬を撫でる心地良さにクラウドは午睡から目を覚ました。  揺れるカーテンの隙間から覗く窓外は雲一つない晴天であり、どこまでも続く青の眩しさに目を細め、手元の時計を確認する。  午

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なまいき烏を撃ち落とす

 手にした一冊を本棚に収め、レオンは書庫を見渡した。  高い天井付近まで伸びる本棚は最上段まで分厚い書籍で埋め尽くされ、人の通れる幅を残して部屋中にずらりと並ぶ様はいつ見ても壮観であった。  現在ここに立ち入る人間は数え

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Negative Attachment

 指定されたホテルの部屋の扉をノックする。  開いた扉の向こうに立った男は笑みを浮かべ、「待っていた」と一歩引いて中に入るよう促した。  腰掛けるように指示されたのはベッドであり、男自身は備え付けの椅子に座り、飲みかけと

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とある休日の過ごし方。

 遠くで蝉の鳴き声がする。  昼に差し掛かった時刻の空は雲一つなく、遮る物のない陽光は質量を感じる程の灼熱の塊となって地上へと降り注ぎ、眼下に広がる街は反射光で白く揺らめいて見える。  遙か遠くを見やれば魔女が根城にして

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縷縷として病む-最終話-

どこにも、行けない。    朝食後、ユフィはランニングに出かけ、エアリスはお買い物に行ってくる、と出かけたので、家にはシドとスコールのみになった。  ダイニングで座ってぼんやりとコーヒーを啜るスコールには、今日

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縷縷として病む-04-

どこにも、行けない。    仕事の依頼はシドを通してくるようになったおかげで、随分と時間の自由がきくようになったスコールは、ユフィを伴い地下洞窟へと向かっていた。  遊びたい盛りの少女は、目を離すと修行をサボっ

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