「桐生さん!待ってくれよ!」
「何で遅れるんだ?大吾」
「アンタ走んの早いんだよ!たまに通行人ぶっ飛ばされて転がってんじゃねーか!」
「そうか?皆避けてるだろ」
「いやいやいやいや…まぁチンピラ共を相手にすんのダリぃから、走って撒きたい気持ちはわかるけどよ」

「オラァ!逃げてんじゃねーぞテメェ!」

「あ、追いつかれた」
「お前が呼び止めるからだ…」
「こいつらから酒代巻き上げようぜ、桐生さん」
「大吾、それじゃチンピラとかわらねぇぞ…」

「ぶっ殺すぞゴラァ!」

「うるさい。死にてぇ奴だけ、かかって来い」
「相手してやるぜ」

「…す、すいません俺らイキがってました…。これ、お詫びの印ですどうぞ…」
「おっ3万くれたラッキー。バンタムで飲むか桐生さん!」
「…これが東城会の、跡目か…」
「何か言ったか?桐生さん」
「…いや、何でもねぇ」
「その前にちょっとコンビニ寄っていいか?」
「何が欲しいんだ?」
「別に欲しいもんはねぇよ。コンビニって行くと新商品が出てたりすんだよ。通いたくなんねぇ?」
「ならねーな」
「ついでに欲しいもんあったら買っていく。そこのMストアでいいか?」
「行って来い」
「行って来る。待っててくれよ、桐生さん」
「早く行け!」
「…悪ぃ待たせちまったな桐生さん」
「用は済んだのか」
「おう。欲しいもん、買っちまった。いつ使おうかな」
「何を買ったんだ?」
「秘密だ。後で見せる機会あると思うぜ」
「?…バンタム、行くのか?」
「行こう行こう!あ、その前に薬局」
「…何買うんだ?」
「スタミナンロイヤルとか」
「…巻き上げた金なくなっちまうぞ」
「いーっていーって。これは自腹だ自腹。じゃ、行って来るから待っててくれよ、桐生さん」
「ああ、早く行って来い」
「…よし、これで戦闘準備オッケーだ。お待たせ、桐生さん」
「…郷龍会相手の準備か。跡目らしいことも考えてるんだなお前」
「ん?何か言ったか?」
「何でもねぇ。バンタムに行くか、大吾」
「おう!」

*****

「…………で、何でこんなことに?」
「桐生さん、酔っ払うと寝るクセやめた方がいいぜ。ここまで連れて来るの大変だったんだ」
「言うほど飲んでないと思うんだがな…」
「飲んでる飲んでる。…ここって使われてないわりには無人の感じしないな」
「ここは最近俺がアジトとして使ってる。…セレナに来る奴なんてもういないからな」
「ああ、そうか。いいなここ、覚えとこ」
「…それより大吾、これは何だ」
「コンビニで買ったロープ」
「……」
「何でコンビニで売ってるんだろな?ロープ。プレイ用としか思えねぇ…。思わず買っちまった」
「……」
「桐生さん寝てたし」
「……」
「縛ったらどうなるかなって」
「何でそうなる!」
「前とっつかまって縛られた時にさ、外せなかったんだよな。あれはプロだぜ!…つーことで、真似てみた。外せねぇだろ?」
「…俺にケンカ売ってんのか」
「縛られるより縛りてぇんだよ俺は!桐生さんで試してみたかったんだ!」
「逆ギレか!」
「どうだよ桐生さん、外せないよな?」
「…引きちぎるぞ?」
「えっ…いやいやいやいや、無理だって」
「……ッ!」
「力入れたら入れただけ絞まるんだぜ!すげーだろ!」
「…確かに外れねぇ…!」
「だろ?降参する?」
「…するか!てめぇ大吾…ただで済むと思うなよ」
「そんなすげー目で睨まれても…ヤベ、俺コーフンしてきた。後ろ手に縛られる桐生さんとかレアすぎるだろ」
「…おい」
「コンビニと薬局でイロイロ買って来といて良かった」
「何だイロイロって」
「ゴムとかローションとか栄養剤もあるしオモチャはさすがに売ってなかったけど一通りそろってるぜ」
「……お、お前、…!」
「戦闘準備しておいて良かった、マジで!」
「戦闘準備の意味が違うだろうがッ!!」
「最近のコンビニは何でもあるよな。…じゃ、いただきます」
「コンビニで無糖ブラック買って来い大吾ォー!」
「Mストアはレインボーマウンテンしかなかった」
「ポッポで売ってるから買って来い。酔いを醒ましたらぶん殴ってやる」
「誰が買って来るかっつーの!殴られるより悦ばせたい俺そんなお年頃」
「黙れクソ大吾!」
「…ていうか桐生さんもコンビニ好きなんだな…」

「たった今、嫌いになった!」


02 に続く(R-18注意)

コンビニはお好き?(大×桐)-01-

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