「月くんのキラの確率は現在7%です」
「…竜崎、いつのまにか4%程上がってないか?僕の一体どういうところがキラっぽいって?」
「聡明な月くんならお分かりだと思うのですが」
「ああ、わからなくはないよ。この傑出した頭脳、神の寵愛を一身に受けたかのような美貌、野生の獣を思わせる優美で俊敏な身のこなし…僕という存在を例えるならそうだな、汚泥に沈む至高の宝石といえばいいだろうか。これほどの僕であるならば、超常能力を持つとも噂されるキラと間違えられても仕方ないかもしれないね」
「はぁ」
「キラがどういう手段で殺人を犯しているのかは知らないが、僕程の才幹を持ってすれば殺人などしなくても今に世界中が僕を必要とする日がくることくらいわかるけどね。ははっ」
「月くん」
「まぁキラを捕まえるために今ここにこうしているのだから、すばらしい僕の頭脳を駆使してキラを捕まえ、跪かせて靴でも舐めさせて罪を悔いさせてやれば竜崎もわかってくれるだろう、僕がキラじゃないってことを」
「そんなわざとらしくイタイ人を演じて見せても、キラの確率が下がったリ上がったりはしませんよ。残念ながら」
「(チィッ…)…竜崎の妄想の中のキラは、僕の顔をしていそうで不快なんだよ。しっかり否定しておかないと」
「そうですね、今現在最有力候補である月くんが私の中でキラの顔をしているのは極自然です」
「自然じゃないだろ。ていうか最有力候補ってなんだ!たかが7%で最有力視されたんじゃいい迷惑だ!」
「他の人間は0に近い確率でしかないのですから、7%もある月くんが一番キラっぽいんです」
「名探偵Lに限って私情を挟んだりはしてないよな…」
「ありえません。Lですから」
「僕の顔で妄想している時点ですでに私情入ってるだろう!?」
「妄想ではありません。推理です」
「お前、さりげに僕がキラだったらいいのにとか思ってるだろう」
「いえ、月くんは友達ですから」
「待て、今視線泳いだ!?泳いだだろ!なんで顔そむけるんだ!疚しいことがないなら真っ直ぐ僕の顔を見ろよ!」
「な…なんですか月くん。そんな至近距離に顔を持ってきたところで、キスなどしませんよ?」
「誰がして欲しいと言った!むしろ金を貰っても断る!!」
「じ…じゃぁキスしたいんですか。私は一応ノーマルなんですが、月くんが望むなら善処しなくもありませ…」
「まったくお前は…!この口糸で縫いつけてやろうか!?」
「うわ、ソーイングセットを持ち歩いてるなんて、今時女の子でもないですよ!なんなんですか月くん!貴方私にキラ断定して欲しいんですか!?」
「なんでそうなる!!これは昔粧裕が誕生日プレゼントにくれたものなんだからしょうがないだろ!あればあったで便利なんだよ!」
「妹からのプレゼントを後生大事に持ち歩く男…!シスコンですね!キラの確率がまた2%上昇しましたよ!」
「僕は嗜好も趣向もいたって健全な19歳男子だ!勝手にキラ判定をするな!」
「…本当に健全かどうか、なぜわかるんですか?」
「…何?」
「一般的に健全と言われる平均値の範囲内であるといえるのですか?汚泥の中の至高の宝石である月くんは?」
「…何が言いたい」
「一般的な恋愛もしたことないのではないかと思いまして」
「(お前が言うのかそれを?)…僕だって恋愛くらい普通にする」
「そうですか…では今から京浜東北線に乗りましょう」
「は?」
「月くんは私の隣に座ってくださいね」
「え?」
「酔っ払いの無頼漢を私が撃退しますので」
「…竜崎…」
「お礼にエル○スのコーヒーカップとソーサーを送ってください」
「…それって」
「そこから恋が始まるわけです」
「…えーっと…」
「質問があれば受け付けますよ」
「…とりあえず竜崎」
「なんですか月くん」

「お前にキラだと断定されても、痛くも痒くもない気がしてきて頭が痛いよ…」

「なぜですか!今日本ではこの恋愛スタイルが流行っているのでしょう!!」
「それはスタイルじゃなく、ひとつの恋愛のカタチだということを知れー!!!!」
「映画やドラマ化しているじゃないですか!」
「お前のほうこそ一般的な平均値とやらを学んで来い!!!!今すぐに!!!!」
「納得できません!」
「僕もだよ、竜崎…いろんな意味でなにかが……」

WEB拍手お礼02-巷で話題の…編。

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